生態心理学(エコロジカルアプローチ)冨田昌夫先生 研修会行ってみた。

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研修・講習会
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冨田昌夫先生(理学療法士)とは?

脳卒中運動療法やクラインフォーゲルバッハで有名です。

ってか皆さん一度は見たことあるこの著書

こちらの監訳者ですよね。

ボバース概念。うん奥深い。

私の元職場は「生態心理学:エコロジカルアプローチ」の戦闘集団で

入社した当日からTHA患者をひたすたに「ゆする!」ということを先輩に「やっとけ」と言われつつ、延々とやりました。

もう、THAのオシレーション角とか関係なし

いかにプレーシングが出来たか、

別に否定したいわけではございません。

私は「まず自分でやってみる、行ってみる。」そのあとに自分なりの感想を述べるだけです。

「これの何がいいのか・・?」わからなかった私は、その研修会にいくことにしました。

っていうか、ほかの研修会があまり認められず。SJFやAKAの研修会に行くなんて言うもんなら、当時のトップから「そんな技術なんて」と冷ややかな言葉ばかりで、

まじで私だけ、堂々と。はい堂々と。

1人だけ昇降式ベッドを使って

関節治療していたのを思い出します。

それが良いわけではないですよ?

でもさ、好きな研修会くらいいっていいじゃんね、

「解剖、運動学から学びなさい」ってトップに言われたけどさ、

正直1年目の当時でさえ、ただゆすっているだけのアナタに負けるとは思えない。

って思ってました。

そんな生意気な1年目の研修会。色々な意味で衝撃でした。

大病院(リハビリ病院)での研修会

もちろんメイン講師は冨田昌夫先生

そこにあらゆる地方から先生方が受講に来られており

中には地方協会のお偉いさんなど。

総勢100人以上はいたと思います。

内容は基礎的な概念から入り

アフォーダンス、クラインフォーゲルバッハなど。

その道の先生方なら分かる言葉がズラズラと・・・

私は俄然、機能解剖学の方が好きなので、


いざ、実技練習へ!

背臥位で下部腰椎のスキマをタオルで埋めて

接地面を意識。骨盤後傾を徒手誘導し

とてつもない細かな振動を送り続ける。

そう。まさに

自力で自分の力でスーパー、めっちゃ

コレ!!

クソしんどい!!

これは、もう。患者にやるまえに

自分が体幹出来てないと無理だ。

そういえば、エコロジカルアプローチの先生方は

暇があったらひたすらに

揺れてたわ。

あれはそういうことだったのか。

でも、これ。1単位のリハビリだと揺れて終わるよね。

3単位とかいける回復期病棟じゃないと厳しいな~。

とか考えつつ、ただひたすらに揺れ、そして揺すっていた。

でもね、

やっぱり、この道のプロは

起き上がりの訓練とか、起き上がりの介助方法が

最強にうまい。ハンドリング半端じゃない。

接地面の軌道がたぶん一瞬で分かるんだろうな。

これは一度講師陣の起き上がり介助を受けてみるべし。

そこにはとてつもなく深い深い世界があるんだと私は知りました。

研修会の目玉! 本当の患者さんで実技!

その日の研修会の目玉がコレだった、

本当に入院している脳卒中片麻痺の患者さんに協力して頂き

冨田昌夫先生が直々にアプローチをする、という正に素晴らしい企画。

もちろん、本人と家族には同意を得ている。

その患者はStageⅢくらいかな(ごめんなさい、CVAは苦手)

男性で40代〜50代だった

コミュニケーションは難しい

体軸は安定せず、寝返りや起居動作も安定しない状態であった。

おそらく、その病院の理学療法士の先生が臨床に困っていて

冨田昌夫先生に診てもらおう!ってなったんだと思う。

さぁ、冨田昌夫先生の激レアな理学療法開始。

ふむふむ、

まずプラットホームに寝かせて、

コロコロと回転させる。

どうやら、脳と視覚の結びつけ?を行なっているらしい

そして感受性を高めていく、

そこから患者をうつ伏せにして

頭部だけベッドから出している状態。

いきなり見たらカオスな状態。

背部筋を抑制しながら、何かしているようだ。

ここまでで15分。

さぁ、基本動作を見てみよう!

あまり変わらない!

先生は本気モードに突入した!

そこから立位にさせ

壁際まで患者を連れて行き

壁にある角の部分を使って

この角部分に背部をくっつけ

そこでまたゴリゴリ、

ゴリゴリ。

認知、視覚、体性感覚の統合。

患者はやや疲労気味だ。

やや動きが鈍い。

そこから冨田昌夫先生。まさかの、

長い廊下へ患者を連れて歩き出した。

我々100人は固唾を飲んで見守る。

一応病院なので、全員でついていくワケにもいかず。

ただ遠くから、何が向こうで行っているのかも分からないまま時が過ぎていく。

アプローチ結果

しびれを切らした病院の管理者および主催者の先生(生態心理学ではかなり有名な先生)が、冨田昌夫先生の様子を見に行った。

帰ってきた表情を見ると、

ヤバイ、ヤバイ。と

スタッフと話し合いをし始めた。

苦笑いしながら。

すると冨田昌夫先生と患者が戻ってきた。

患者は

『もうイヤだ!!』

『帰りたい!!』

と泣いていた。

100人の受講生がどんな気持ちだったかは知らないが、

少なからず私はドン引きしていた。

これ放送事故じゃね?笑

結果、何が良くなったのか分からない。

泣いてオワタ。

感想

ホント、タイミング悪かった。

私は全貌を知りたくて、初めて行った研修。

そこで見た内容。

いや、生態心理学の内容自体はとても興味深いものでしたし、

それに関わる先生方もそれぞれ脳卒中や脊髄損傷のスペシャリストでした。

動作分析や姿勢分析にズバ抜け、

またその基本動作に対するハンドリングやダイナミックタッチは感銘を受けました。

だから、そんな1回で初心者の自分があーだこーだ言う資格も無いけど。

最初のイメージは拭えないので、

私には向いてないな。と、

でも概要とか、認知のこと、

ハンドリング方法などはその後に知識として先輩に教えて頂きました^ ^

カウンタームーブメント(CM)

カウンターアクテビティ(CA)

など運動力学的な事も学べますし、

姿勢のみかた、空間のとらえかた、

非常に面白いと思いました。

機能解剖だけでは説明できない

動作、行為は脳だけで決定されるものではなく、環境との関係で成立しているということ。

相手への気づき。

ある意味、理学療法士、作業療法士として当然あるべき技術

法律通り、基本動作を確立させる、応用動作を確立させるための必須項目でした。

興味ある方はぜひ行ってみて下さい

→エコロジカルアプローチ研究会

でも患者を泣かせちゃダメ!!

時代がそれを許さない。

でも、このブログ書いてて思い出したなぁ。

当時のトップ(生態心理学スタッフ)に

『自分の患者みて下さい』って頼むと

4単位くらい時間を使われ

次の患者にいけず、

焦っていた毎日を。

もしかしたら、

生態心理学の先生たちって

めちゃくちゃ体育会系なんじゃねぇかって

今、私は気づいたよ。

そんな生態心理学の教科書がコチラ

題名は「臨床動作分析」なのだけど

内容は

序文・・・冨田昌夫

第Ⅰ章 実践的評価 治療の理論と解釈
1 壁を破る ! ループという発想・・・冨田昌夫
2 皮質との関係―脳の中のループ回路・・・木村晃久
3 行為との関係・・・玉垣 努・松田哲也
4 クラインフォーゲルバッハの運動学の治療的応用
 1.姿勢・動作の理解と観察の視点・・・竹中弘行
 2.パーキングファンクション(構えと知覚)・・・和泉謙二
 3.ダイナミックスタビライゼーション・・・佐藤房郎
 4.運動様式(ブリッジ・テンタクル, 運動の拡がり)・・・関 公輔
 5.バランス活動・・・佐藤房郎
5 生態心理学・アフォーダンス・・・玉垣 努・松田哲也

第Ⅱ章 実践的評価 治療
1 基本動作の持つ意味―動作の階層構造に秘められた身体性・・・冨田昌夫
2 動作分析の目的と動作の捉え方
 1.探索活動と治療的誘導・・・竹中弘行
 2.6つの「みる」―同調への手がかり・・・竹中弘行
 3.身体間コミュニケーションの経験と練習方法・・・竹中弘行
 4.プレーシング・・・竹中弘行
3 姿勢と移動動作
 1.背臥位・・・竹中弘行
 2.寝返り動作・・・竹中弘行
 3.起き上がり動作・・・竹中弘行
 4.座位姿勢・・・竹中弘行
 5.立ち上がり動作・・・竹中弘行
 6.歩行・・・佐藤房郎
4 応用動作分析―活動への介入技術・・・玉垣 努・松田哲也

。。

とまさに、生態心理学のほとんどが説明されている。

要は生態心理学=動作分析なのか?ってくらい。

脳神経に関わる方に限らず、機能解剖学の鬼になっているアナタにも

ぜひ一度読んで見て欲しい1冊であります。

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