SLR陰性・・でもヘルニアの手術をした医師の話。

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コラム

最近では、理学療法士の研修会の中で

講師
講師

ヘルニアの手術しても腰痛は治りませんからね

とか

講師B
講師B

術後の患者で改善した人見たことないっすね

とかいう研修会の講師も増えてきている印象です。

もちろんそういった例もありますし。

MRIでヘルニアが見つかっただけで

医師
医師

腰痛はヘルニアのせいですね

といわれて、手術した患者さん。

そして腰痛はとれずに悪化。

これは多く見られます。

そして私自身

わたし
わたし

SLR、神経所見、腱反射、筋力左右差も無いのに、MRIだけで手術するとかありえないわ。よくいるけど。

と思っていました。

が。

それを覆すような一文があり、理学療法士として恥ずかしく思ったので

ここに紹介させていただきます。

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SLRは陰性、だけど腰痛でヘルニアを手術した先生のお話。

Sportsmedeicine 139.contents 2012より

渡辺健一医師(関東労災病院)の一文がとても印象的でした。

とあるスケート選手の腰痛。

そのチームドクターから

チームDr.
チームDr.

ヘルニアがあるから摘出術をして欲しい。

と渡辺健一医師に依頼あり。

渡辺先生は「それほどヘルニア大きくないし、SLR陰性だし・・・」

とためらったそうです。

ですが、選手は

選手
選手

同じ姿勢で滑っているとどうしようもなく痛いんです。

と強く希望され、手術に踏み切ったそうです。

我々理学療法士なら

我々
我々

いや~。やっちまったね。俺ならマリガンコンセプトで・・・。マッケンジーで・・・・。SJFで・・・。

とか言ってしまいそうですが・・

渡辺先生も、仕方なく手術をしたそうです。

ですが。。。

手術はknee chest positionといって

こういった姿勢でやるのですが、

手術でこの姿勢になったとたんに

ヘルニアは予想以上に大きくなり、神経をかなり圧迫したのです。

問診でスケート動作を少し行ったくらいではわからないレベルらしく

渡辺先生
渡辺先生

これは痛かっただろうな。

と思ったそうです。

一般的にはSLRが陰性の症例は手術成績が悪いようですが

この選手はすぐに痛みが改善して競技復帰したそうです。

この経験を経て先生は

渡辺先生
渡辺先生

医学的所見だけにこだわっていたら、手術を回避し、選手の痛みを取ることが出来なかったかもしれない。いかに現場とのコミュニケーションが大切か思い知った。

とお話されています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

我々理学療法士はやはり保存療法で治すことに魅力を感じて

常に自己研磨しています。

ですがその現実に入りすぎると

私のように、

わたし
わたし

俺なら治せたな。

みたいにバカな幻想を抱きます。

もちろん治す先生もいるでしょう。

しかし今回のように、

明らかに判断ミスでしょ。

が、

そうだったのか・・・・!!!!!

と教訓になることがあるわけです。

いや~、渡辺先生。

ありがとうございました。

医学というのは奥深いですね。

また1から勉強し直します。

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